♪♪ おはなのかぜ♪♪ 12月号
2018年12月4日
♪♪ おはなのかぜ♪♪ 12月号
年末も近くなり、カレンダーを選ぶ時期になりました。その年によって犬ばやりだったり猫ばやりだったり目新しいものもありますが、毎年チェックするのが「ねむの木学園」の生徒達が描いたカレンダー。ご存知の方も多いと思いますが、静岡県掛川市にあり障害を持ち家庭で養育困難な子ども達が生活し、学ぶ村。創設者の女優宮城まり子さんがお母さんがわり。子ども達の自由な表現力、根気、観察力、感受性、才能を受け止めるだけでなく尊敬するとおっしゃっる相互関係は実の親子以上にも思えます。11月末にはその絵画やダンスを両陛下も鑑賞されたとニュースになっていました。宮城さんは91歳にも関わらず、候補に挙がった絵画1枚1枚をじっくりと読み取り12枚を選ぶまなざしは真剣そのもの。言葉や態度で表現することが難しい子ども達の心情を丁寧に読み取っているように感じました。
オハナの子ども達の何気ない落書きや自由画帳も玉手箱なのだと思います。何を描いたのか聞いてみると絵からは想像もつかないような思いもよらぬ答えが返ってきます。子どもの目線は何を見て、何を感じて、何を思っているのかちょっと覗けて分かり合えたような気になり、勝手に嬉しくなる時があります。言葉がまだ未熟な子ども達の表現方法は千差万別。大人が寄り添う気持ちで想像力を働かせなければ、わかりにくい事がたくさんあります。それにはまず、よく見てあげること。目が何を物語っているか覗き込むこと。
宮城さんは「やさしいことはつよいのよ」とたびたび記されています。まさにその通りだと共感するところです。裏を返すとやさしくできない子(ひと)は心が弱っているのだとも思えます。大きな声で自分の主張を訴え、時には相手を威嚇するような態度をとってしまう子に、誰もなりたいわけではないのです。誰よりやさしくしてもらいたいのに、表現が裏腹に出てしまう子もいます。やさしくなってもらいたいと願うなら「やさしさ」を届けてあげることが近道です。年末年始のお休みで普段より親子の時間が多く持てるご家庭も多いことと思います。(お仕事の方は、逆に忙しいかもしれませんね)ゆっくりじっくりお子様の表現が何を物語っているかを覗いてみると、今年1年の成長を親子で喜び合える事と思います。
事務所前のカレンダーはねむの木学園のものに決めました。来年は途中で年号も変わり、印象に残る年になることでしょう。皆様のご多幸とご活躍を祈るとともに、今年のご協力に感謝をいたします。
園長 小林 千恵